社会・家族恒常的な論点
選択的夫婦別姓を導入すべきか
更新 2026-06-14
この論点の背景
現在の日本の民法では、婚姻時に夫婦どちらか一方の姓に統一することが求められ、別姓のままでの法律婚は認められていない。改姓に伴う手続きや職業上の不便、アイデンティティの問題が指摘される一方、家族の一体感や子の姓をめぐる懸念もあり、選択肢として別姓を認めるべきかが長年議論されている。
争点ではない、共有された事実
- 現行の民法750条は、婚姻時に夫または妻の姓に統一することを定めている。
- 実態として、改姓するのは妻側が大多数を占める。
- 通称(旧姓)使用は職場や一部の公的書類で拡大しているが、法的な姓は一つに統一される。
- 「選択的」とは、別姓を全員に強制するのではなく、同姓か別姓かを夫婦が選べる制度を指す。
それぞれの立場(対等に提示しています)
導入に賛成(選べるようにすべき)
同姓を望む人はそのままに、別姓を望む人には別姓を認める「選択肢」を広げるべきだとする立場。
この立場の主な根拠
- 改姓による各種名義変更や、研究・職業上の実績の不連続といった実務的な負担を解消できる。
- 姓をめぐる選択を当事者に委ねるもので、同姓を選ぶ人の権利を制限しない。
- 改姓の負担が一方の性に偏っている現状の不均衡を緩和しうる。
この立場への主な反論・懸念
- 夫婦別姓の場合、子がどちらの姓を名乗るかの決め方を制度として整理する必要がある。
- 家族で姓が異なることへの心理的・社会的な戸惑いが生じうるとの指摘がある。
慎重・反対(現行制度を維持すべき)
家族の姓の統一を維持し、不便は通称使用の拡大などで対応すべきだとする立場。
この立場の主な根拠
- 同じ姓を名乗ることが家族の一体感の象徴になっているとする価値観がある。
- 改姓による不便は、旧姓の通称使用を法的・実務的に広げることで相当程度緩和できる。
- 子の姓や戸籍制度への影響を慎重に見極めるべきだとする。
この立場への主な反論・懸念
- 通称使用では、海外手続きや一部の法的場面で旧姓が使えず不便が残るとの指摘がある。
- 「一体感」は姓の統一以外でも保たれるとの反論がある。